生後3ヶ月~5ヶ月の赤ちゃんが喜んだオススメの絵本
触れるのも怖くなるような生まれたての赤ちゃんも、3ヶ月経つころには、しっかりした体つきに成長します。 身長はぐんぐん伸び、体重は生まれた時の2倍ほどに。快・不快の2つだけだった感情は、喜怒哀楽のような細かい感情に分かれていきます。
大人が顔を近づけ、言葉をかけ、抱き上げると、手や足を活発に動かし、小さな身体のすべてを使って喜びを表現するようになります。 顔をほころばせ、声を立てて笑う赤ちゃんの姿に「もっと喜ばせたい」とあたたかい気持ちが湧き上がってくるものですね。
手遊びやわらべうた、ガラガラなど少しずつできることが増え、遊びの幅が広がってくるこの時期に、絵本を見せてみてはいかがでしょうか。
絵本といっても、読み聞かせをする必要はありません。絵本は、赤ちゃんと大人をつなぐ素敵なツール。
日常のあたたかい語りかけの延長として、絵本を取り入れていただきたいのです。
「よく寝たねー」「ご機嫌さんだねー」といつもの言葉かけと同じように、絵本を見ながら自由に話して聞かせてみましょう。
優しい言葉に赤ちゃんは安らぎを覚え、絵本が見せてくれる世界に夢中になることでしょう。
0歳児におすすめの絵本の探し方
昨今、赤ちゃん向けの絵本が次々に出版され、書店に並ぶようになりました。 数ある絵本の中から月齢に合った絵本を探すためのポイントをまとめます。
①1ページ、または見開き2ページの中に1つの絵
赤ちゃんは、視野が狭く、たくさんのものを視ることができません。 1ページの中に1つ、または、見開き2ページの中に1つの絵が描かれているものがよいでしょう。 はっきり描かれた絵が、赤ちゃんの眼に無理がなく、焦点を合わせやすいのです。 デフォルメされた絵でもリアルな絵や写真でもOKです。
②色彩感覚を養えるもの
赤ちゃんの好きな色彩は、赤・黄・黒・白・青などはっきりした色です。 そのため、目がチカチカするような原色を使った安易な色彩の赤ちゃん絵本が目立ちますが、オススメできません。 赤ちゃんには、いつまでも見ていられる落ち着いた色彩の絵本を選びましょう。 また、どんな色が好きかは赤ちゃんの個性が表れるところです。どの色のページをじっと見つめるのか、声をたてたり、手を出したりするのか。 見ていくと、とても興味深いものです。
③大人が語りかけやすいものをテーマに
読み聞かせよりも、赤ちゃんへの言葉かけの延長として絵本を取り入れていただきたいこの時期。 絵本に書かれている文章をその通りに読み上げるのも良いですが、大人が絵本を見て、話したい、語りかけたいと思ったことを自由に話せる絵本を選ぶのが良いでしょう。 歌を歌うのも素敵です。もちろん、文字の無い絵本を見ながら自由に話すのも素敵です。
一生懸命見て、聞いて、まわりの世界に対するアンテナをたくさん立て始める大事な時期です。 さまざまな絵本を見せて、赤ちゃんの好奇心を刺激し、喜ばせてあげましょう!
生後3ヶ月~5ヶ月の赤ちゃんが喜んだオススメの絵本
【★★★★★】はじめてのぼうけん1 ぴょーん
0歳から幼児まで幅広く人気があります。 大型絵本にも採用されており、読み聞かせによく使われている有名な絵本です。 横に広げるのではなく、縦に広げて読みます。 動物たちがダイナミックにぴょーん!とする姿に赤ちゃんの目は釘付け!
私の経験ですが、大人数の赤ちゃんの集合写真を撮ろうとした時、図書館で借りた大型絵本の「ぴょーん」をカメラの横で読みはじめると・・・
全員がじっと絵本を見つめてくれ、撮影することができました!まさに釘付けです!
それ以来、この絵本はここぞという惹きつけアイテムの1つにもなっています。
【★★★★★】あかちゃん・かどまるえほん1 あなのなか
図書館で表紙を見た瞬間にこれは良い本だと感じました。 黒を基調としたコントラストのはっきりした絵は、月齢の低い赤ちゃんでも認識することができます。 実際、この絵本は生後3ヶ月からでも楽しめるようにと作られたものだそうです。
何度も繰り返し出て来る『ずんずんずんずん』というフレーズが耳に心地よく、読んでいるうちに読み手もだんだん楽しくなってきます。 ファーストブックにおすすめの絵本の中では珍しくストーリーがあるので、話題を広げやすく、語りかけの題材にふさわしい絵本です。
【★★★★☆】いろいろどうぶつえん
福音館書店『こどものとも0・1・2シリーズ』で人気のあった絵本の1つです。 大人からするとギョッとするような独特の色彩で、赤ちゃんの目を引きます。 これが本当にじっと魅入るので、びっくりするくらいです。 見開き左手に白抜きの動物、右手に模様柄の動物を描いていて、恐らく赤ちゃんは白抜きの方をじっと見つめているのだと思います。
この絵本はボードブック形式なので頑丈なのが何よりもポイントです。 まず、開いて自立させることができます。 赤ちゃんが手を伸ばして倒しても、寝返りして乗っかっても、口に入れて舐めても破れない千切れない壊れない。 安心して赤ちゃんの傍に置くことができるのです。
【★★★★☆】にんじん
せなけいこさんの名著。2歳向けの絵本で、しっかりと文章のある絵本ですが、赤ちゃんも大好きです。 見開き2ページに1つの動物の絵がわかりやすく描かれていて、しっとりとした色彩に、丁寧な文章、ページ構成がとても良いです。
「にんじん ああおいしい」といいながら、食べる真似、口の動き、仕草をすると、とても喜びます。 私はページ毎に「がぶがぶがぶ~!」と音を立てて読み聞かせていました。 がぶがぶ言いながら赤ちゃんの身体を触ったりくすぐったりしてあげると素敵な関わり合いができますよ!
【★★★☆☆】なーんだなんだ
耳、目、顔・・・と少しずつ画面をズームアウトしていくと最後にパンダの姿を見つけるという絵本です。 パンダは白と黒のコントラストの動物で、赤ちゃんの目にも認識しやすいようです。 はじめは、パンダとはまったく分からず神妙な顔をしているのですが、パンダの顔が出てくると途端に笑顔になります。
パンダはさまざまな動物の中でも特に印象に残りやすいようです。 また「パンダ」という言葉は、言葉を覚えたての赤ちゃんにとっても発音しやすいようで、1歳を過ぎた娘は、絵本を見てパンダパンダと指さしています。 長く喜ばれる絵本だからこそ、低月齢から読み聞かせてみてはいかがでしょうか。
【★★★☆☆】はじめてえほん あっぷっぷ
あっぷっぷ!といって動物たちやお母さんとにらめっこ!
画面いっぱいに描かれた変な顔・笑った顔が親しみやすい絵本です。
「あかちゃんあそぼ」というシリーズの中の1冊で、「あっぷっぷ」の他には「いないいないばあ」「はくしゅぱちぱち」「こちょばここちょばこ」があります。
どの本も赤ちゃんとの触れあいの場をつくってくれる良い絵本です。
絵本のイラストに負けじと、変な顔をしながら赤ちゃんと見つめ合い、自分で自分のことを笑っていたら、赤ちゃんもすごく喜んでくれます。 あっぷっぷのリズムと、絵本の進行のテンポが良く、絵本を介してコミュニケーションがとれるのです。大きめの絵本なので目一杯広げると、迫力があってなお良いです。
読み聞かせのかたちにこだわらないで
絵本というと内容を聞かせることにこだわりがちですが、低月齢の赤ちゃんに必要なことは「信頼できる大人との触れあい」です。 絵本を見ながら絵本に書かれている文章とまったく違う内容の話をするのも素敵です。絵本を見せずに絵本の内容を話して聞かせることも素敵な触れあいです。
固定観念にとらわれずに、自由な言葉かけの材料として、絵本を取り入れてみてください。きっと、赤ちゃんも素敵な表情で応えてくれることでしょう。